小企画「箱田侑子染織の世界」

会期:2022年12月24日 〜 2023年4月2日

場所:益子陶芸美術館2階展示室

この度益子陶芸美術館では、小企画「箱田侑子染織の世界」と題し、益子に息づく手仕事を紹介いたします。

広島県出身で現在益子町在住の箱田侑子は、1972年から74年にかけて茨城県の結城紬織元にて織りの技術を習得し、その後74年から77年にかけて栃木県「益子木綿」の日下田正に師事し、染めと織りを学びました。オーガニックの綿から糸を紡ぐ作業、草木を煮出す染めの作業、そして織りまでの工程をひとりで行っています。織りの工程の中で染め綿を入れ込んでいく箱田独自の「つまみ綿」という技法で作られた作品は、平面の生地にほのかな膨らみを与え綿のふわふわとした柔らかな質感とともに織りに新しい表情を加えました。また、カシミヤやヤクといった藍で染めるのは難しいと言われる素材にも挑戦しています。

「楽しいが一番」という考えのもと生み出された作品の数々は優しい空気に包まれています。箱田が目指す「ふんわりとした細い糸」、そして丁寧な織りに注目してお楽しみください。